会津人の三絶句

有故潜行北越帰途所得 会津 秋月胤永
行無輿兮帰無家 行くに輿無く 帰るに家無し
國破孤城乱雀鴉 國破れて 孤城雀鴉乱る
治不奏功戦無略 治は功を奏せず 戦は略無し
微臣有罪復何嗟 微臣罪あり 復た何をか嗟かん
聞説天皇元聖明 聞くならく 天皇元より聖明
我公貫日発至誠 我公貫日至誠に発す
恩賜赦書応非遠 恩賜の赦書は 応に遠きに非ざるべし
幾度額手望京城 幾度か手を額にして京城を望む
思之思之夕達晨 之を思い之を思うて 夕晨に達す
憂満胸臆涙沾巾 憂は胸臆に満ちて 涙は巾を沾す
風淅瀝兮雲惨澹 風は淅瀝として 雲は惨澹たり
何地置君又置親 何れの地に君を置き又親を置かん

ゆえありて ほくえつに せんこうす きとえるところ あきづき かずひさ
ゆくにこしなく かえるに いえなし くにやぶれて こじょうじゃくあ みだる
ち こうをそうさず いくさ りゃくなし びしん つみあり また なにおか なげかん
きくならく てんのう もとよりせいめい わがこうの しせいをはっす ひびに かかわりなし
おんちょうの せきしょ まさに とおきに あらざるべし いくどか ひたいに てして けいじょうをのぞむ
これをおもい これをおもうて ゆうべ あしたに たっす うれい まんきょうにみち なみだきんをうるおす
かぜ せきれきとして くも さんたんたり いずれのちに きみをおき また おやをおかん

参考文献
歴史春秋第47号 会津史学会編 秋月悌次郎 秋月一江 
物語 会津戦争悲話 新人物往来社 宮崎十三八他