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「空襲体験の絵」作品集


作品目次 1 作品目次 2 作品目次 3 私の展示会印象記

2002年10月8日(火)〜12日(土)茨城県総合福祉会館で「空襲体験の絵」の展示会が開催されました。
主催 水戸市老人福祉センター葉山荘 ・空襲体験を描く会  後援 (株)茨城朝日
展示会は終わってしまいましたが、貴重な歴史的資料として、多くの方々に鑑賞して頂ければと考えました。
ホームページに掲載させていただくことになりました。 見ていただければ幸いです。
以下は開催ポスターより
終戦後57年、現在の社会には何となく、きな臭い空気が漂って参りました。
終戦時に国民学校に在学していた人は、現在65歳前後になり、戦時中の記憶は高齢者のみの時代となりました。
空襲体験は貴重な事実です。現在、社会を動かしている中高年以下の世代では殆どその事実を知りません。
現在の世界中での戦争状況は、いろいろな報道機関によって知らされていますが、何か他人事のように感じられがちです。
私たちの過去の事実を踏まえて現状を認識することは、社会を良くする上で非常に大切です。

まえがき (「空襲体験の絵」作品集まえがきより)
私たちは皆で協力して「空襲体験の絵」の展示会を開催してきました。
空襲を体験した者が、57年以上も前に受けた個々の心象を、切に思い起こして一生懸命に描いた絵画です。
一般公募によって28枚の絵が集まりました。これらは紛れもなく現代の史実です。
本土で空襲を体験した人々は、主として銃後の守りに就いた主婦と、兵役を外れた高年・低年齢層の
一般庶民が主体です。この人々の心象が絵画と説明文によって描かれたものです。
このような他に類が少ない記録は、ぜひ次の世代の戦争を知らない多くの人々に見て欲しいと願ったものです。
会期を通して500人以上の方々が鑑賞に来られました。
その感想文を読むと、絵画の作者の心象がひしひしと鑑賞者に伝わり、読む者をして感動させ、
また勇気づける程でした。
今回、作品は水戸市に寄贈されましたが、これらの作品による展示会が、来年以降も、
また水戸市以外でも多くの場所で開催され、広く活用されることを願っております。
また、全国各地で戦争体験者の描いた絵画が史実として集められ、展示されることを祈っております。
体験者は刻々と老いるばかりでしょう。
展示会に出品された空襲体験の28点の作品は、説明文と共にすべてこの作品集に収めました。
展示会の開催、作品集の製作には多くの人々の御協力を頂きました。
これらの御協力なくしては成し遂げ得なかったことです。深く感謝申し上げます。
良い思い出として残ることを希望して筆を置きます。 平成14年12月吉日  主催者まえがき

茨城朝日2002/07/31より 戦争の記憶を絵に残したい
昭和20年3月10日未明、東京・代々木の練兵所。前夜からB29の空襲に追いかけ回され、
燃えるもののない広い所を目指して逃げた。たどり着いたのが練兵所。
逃げ疲れ「どうにでもしやがれ」と寝そべると、爆撃を終えたB29が、悠々と低いところを飛んでいる。
逃げてきた方角を見れば、町中が燃え、その照り返しで、夜空が明るくなっていた。
水戸市見川の松永朔郎さんは現在76歳。戦争体験を描き、展覧会を開こうと呼びかけている
定年後始めた絵画のキャリアは15年になる。
描く意欲があるうちに、記憶があいまいになる前に、57年前の戦争の、特に庶民の生活実態を、
絵に残そうと決めた。
悲惨だった現実をたくさんの人に伝えたいと「戦争中の体験を絵に描いて、展覧会を開こう」と、
同世代の人々に呼びかけている。
これまで油絵や水彩で、もっぱら風景や花、静物を描いてきた松永さん。
戦争の絵を描き始めたきっかけは、パステル教室の「詩を読んで、絵に描く」というテーマからだった。
「僕の世代ではそんなモダンなことはわからないから」と、詩といえば小学唱歌、唱歌といえば故郷の歌、
故郷といえば・・・と連想していくうちに、出身地・東京での戦争の記憶が浮かび上がってきた。
松永さんの故郷の思い出の中には、小川や野原はなく、あったのは、焼い弾が降り注ぐ下を逃げまどう、
自分やたくさんの人々の姿だった。松永さんは当時理工系の学生で、戦時中は無線機工場に勤務。
そのせいか、兵役は延期になり、東京にとどまることに。神田、渋谷、王子、下十條と東京を転々とする中で、
家を直撃した爆弾で、父と姉、妹を、失ってしまう。父49歳、姉22歳、妹12歳だった。
悠然と低いところを飛ぶ B29の胴体を 逃げ疲れて寝そべった僕は 放心して眺めた


この絵の中で寝そべっている松永さんは20歳。「僕は若くて独りだったから、火を見ながら自由に
逃げられたけど、もう観念しちやったのか、学校の門の所にござを敷いて座りっきりの、
乳飲み子を抱えた人もいた」 
大八車に、布団や、衣服を積んで引っ張っていくものの、途中で投げ出すより仕方なかった人、
なすすべもなく道路に止まったままの何台もの消防車。「あんなに燃えちやってるもの、消火できるわけないよ」。
そんな光景をこれから絵にしていこうと考えている。
明るい色調で花や星を描いたほかの作品とはあまりに異質なこの絵は、合評会の出席者から
「あー」というため息にも似た声が発せられただけで、席をシーンとさせてしまった。
教室には70歳前後の人が数人いたものの、多くは30〜40代。
「話には聞いていたとしても、こんな悲惨な現状を知っているわけがない」と松永さん。
自分の国の本土で起きていたことを知らない人が、現在の社会の大勢なのだということを、
改めて知った思いだった。松永さん自身は結局34歳まで東京で生活し、その後東海村に職を得て茨城に。
定年後、60歳を過ぎてから、趣味で絵画を始め、油絵、水彩画に次いで、3年程前からは
生涯学習センターの講座でパステル画も学ぶようになった。
いま、松永さんは、本土の空襲を体験した人に、場所と日時を書き添えて、絵を描くことを呼びかけている。
記録となるものを集めて、展覧会を開きたいからだ。
「美術としての絵画ではなく、貴重な歴史的資料ですから、うまい、下手は関係なく、たくさんの人に
参加してもらいたい」。絵を描いたことがない人には、相談会を開くことも考えている。
「見た人がその絵をどう判断するかは別にして、事実を知って、昔のことを現実の問題として捕らえておくのは、今のような時代では特に大切なことだと思う」と松永さん。問い合わせは029(241)2773 松永さんへ。

朝日新聞2002/10/18付けで 「戦渦を生きた経験を次代に」の見出しで
「空襲体験の絵」展示会を企画し、とりまとめ役を務めた水戸 松永 朔郎さんとして紹介された。


(以日新聞2002/10/18記事から抜粋)有事法制や他国の戦争のことが「他人事のように」
議論されていると感じ、身近にあった戦争について、若い人たちに知ってもらおうと、
空襲体験者らの絵を集めた。
描き手を募るビラを作り、知人に手伝ってもらって数100枚を配り、市内外の約20人から、
30点ほどの作品が集まった。
松永さん自身、45年3月10日の東京大空襲を体験した。
会場に置いたノートには、若い人たちが感じたままの素直な気持ちを書き込んでくれた。
「これからの時代は若い人たちのもの。我々の世代が口を出すことじゃないが、
まず事実を知ってから様々なことを議論して欲しい」と松永さん。
展示会は12日で終わったが、せっかく集めた絵を別の場所で展示できないかと考えている。

新いばらき新聞  2002/10/11掲載記事より 
「空襲体験」若者に「描く会」が絵画展開催 県総合福祉会館
戦争体験者の心象風景を描いた「空襲体験の絵」展示会(水戸市老人福祉センター葉山荘
「空襲体験を描く会」主催)が12日まで、同市千波湖の県総合福祉会館一階で開催されている。
戦争を知らない若者たちに歴史的な事実を絵画を通して伝えたいと、
同市見川町在住の松永朔郎さんの呼びかけに賛同した25人の作品、計29点が展示されている。
「描く会」の発起人でもある松永さんは、8月ごろから同展の開催に向け、
タウン紙などでメンバーを募り準備してきたという。
出品者は、63歳から91歳まで。それぞれの作品が絵に説明をつけており、
描かれている空襲体験地も九州や四国、関東など全国にまたがっている。
松永さんは「映像や写真でなく、戦争を体験した人たちの心の目を感じてほしい。
若い世代にぜひ見に来てもらいたい」と話していた。時間は午前9時から午後5時ごろまで。 無料

2003年5月21日 茨城朝日新聞より
空襲体験の絵が本にホームページでも紹介 
「空襲体験を描く会」が、02年10月に水戸市千波町の県総合福祉会館で開いた
「空襲体験の絵」の展示作品を、このほど本にまとめた。


29点の絵と、絵の作者による体験記が掲載されている。
同会は、体験者の高齢化で、戦争の実態が忘れ去られて行くことを心配した水戸市見川の
松永朔朗さん(77)が、空襲の記憶を絵に残そうと呼びかけたのがきっかけで発足した。
市内外から28点の絵が集まり、展示会を開いた。
会場に置かれたノートには「絵を通してみると戦争の悲惨さがリアルに伝わってきた」
「たくさんの人に見てもらいたい」など、見学者が記した様々な声が寄せられた。
展示された絵は、水戸市に寄贈され、希望があれば貸し出しもされる。
本はA4判の自家製本で非売品。本の内容はホームページでも見られる。
http://www.asahi-net.or.jp/~de3m-ozw/matsuna/matsu00.htm城朝日新聞2003/5/21より

むすび
「空襲体験の絵」展示会が構想されてから早くも10ヶ月余りが経ちました。
立案当時の社会はきな臭い空気が漂っていましたが、平穏な生活を送っていました。
展示会開催日が茨城朝日に掲載(平成14年9月4日)されてから一週間後、
米国・ニューヨークでいわゆる《9・11》テロが発生、世界が騒然となったことは皆さんご存知のことです。
私たちの展示会は平成14年10月8日〜12日に開催され、日本における空襲の実態が、
体験者本人によって描かれ、多くの人々に強い感銘を与えました。
平成15年3月20日、米・英国はイラク戦争開戦を通告、以後、米・英軍は空爆を重ね、4月5日バグダッドに突入。
その後の空爆の状況はTV、新聞で報道されています。
世界各地で「戦争反対」デモが行われ、日本でも若い人々が参加してデモが行われました。
私たちの「空襲体験の絵」展示会は今後も続け「空爆体験を描く会」を全国各地で立ち上げて行きたいものです。
すでに同様な会がある地区もあることでしよう。
宜しければ 〒310-0913 水戸市見川町2563-495 空襲体験を描く会代表・松永朔郎にご連絡下さい。
衆知を集めましょう。「空襲体験の絵」は高齢者のみしか描けません。
年月とともに空襲体験者は減っていきます。空襲体験の絵は次代の人々への貴重な資料です。
次代の人々が21世紀から戦争を絶滅できるよう、衆知を集めて活躍されることを祈ります。
「ここに紹介した空襲体験の絵は、水戸市に寄贈しました。
水戸市では、広島市への平和大使の派遣、水戸空襲展の開催等を行っています。
寄贈した絵は平和事業の資料として、広く活用されることに成っています。」(2003年5月10日現在)

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